上山徹郎「隻眼獣ミツヨシ」1巻 isbn4-8402-2342-4

隻眼獣ミツヨシ1巻細密な描写と、派手なアクションが特徴で、俺にはむっちりとした女性の描写も堪らなく好きな作家さんであります。
この作品も、どうやら作者がお好きらしい、以前から何度も使っている「和風な異世界」を使っており、今回の主人公(表紙)は、どうやら柳生十兵衛三厳の漢字の一部をもじった、十兵衛が元のキャラクターの様ですな。で、敵は真田十勇士と。
事前情報を完全にカットして、単行本で読むの楽しみにしていたのですが、今回はとうとう”主人公が女性”のアクション物になっていて、掲載紙(電撃大王)に依るものなのか、作者の趣味かは判りませんが、なんだかものすごく萎えてしました…。気を取り直して読み進めたのですが、出てくる剣術やら若様お付きのお歴々がことごとく女性で、服のデザインも風俗店のごとくフリフリだったりで、さらにへこんでしまいました。若君も男女どちらにも見えるデザインだったりして、俺に追い打ちを。
私は、大した理由もなく女性が闘う、それ自体が売りになっている様な作品は、理性でコントロールされていない、ただの妄想を見せられているようで、どうにも嫌悪感が強く湧いてしまい作品への感情移入を激しく妨げられてしまうのですよ。しかし、最近はこういう作品が無駄に多いみたいですし、むしろ嫌悪感が湧く俺が珍しいのだろうか。と、またへこんでみた。
好きな作家の久々の新作ですし、仕方がないので、頑張ってミツヨシの性別を意識しないようにして読んでみた。ピンクの大きなリボンが激しく邪魔でしたが、そのうち慣れました。まあそんなもんだ。美しく格好良い戦闘シーンには、そこまでして読む価値は充分ありました。が、なんなんだかなぁ…。残念でならない。