アニメのエマが面白くなかったという話

昨日は結構ぼやかして書いたのですが、アニメのエマには、続けて観たいと思わせるものが全くといっていいほど無かったのです。もちろん、漫画本の販促ツールとしては評価してます。良い出来です。
アニメのエマは、マンガのエマの雰囲気を壊さないように手堅く移植していたわけで、もちろんマンガ版と同じではないけれど、同等品といっても後ろめたさは感じないくらいの同等品ではあるのだろうと。でもアニメ版には原作に感じた魅力が私には感じられ無かった。その辺を、仕事したりしなかったりしながらちょっと考えてみました。 
自覚して読んではいなかったのですが、私はどうやらマンガ「エマ」の後ろに森薫*1を感じていて*2、その森さんに感情移入してマンガ「エマ」を読んでいたのです。この場合、森薫に感情移入っていうのが、"作者の立場で"ってだけでは弱くて、"メイドが好きで制服が好きであの時代のロンドンが好きでマンガに描いてしまうくらい好きで好きでたまらない作者の立場で"、私もその"好きなものばかりを詰め込んだ自分が作っている作品"を楽しんでいたのです。たとえば、奥さんのセミヌードシーンでは、脳内森さんの気分となりニヤニヤし、坊ちゃんのトコのちっちゃい子泣かしてはニヤニヤし、シャーリーを泣かせてはニヤニヤし(変態)。
で、問題のアニメ版エマ。もちろん作ってるのは森さんじゃない。作品における森薫の場所がなくなると、私にはあの物語を誰の視点で、どこの視点なら楽しめるのか想像もつかない。どうやら私は、作者と切り離した「エマ」っていう作品単体に魅力を感じていたわけでは無い様なのです。元々"メイド"が好きって訳でもなかったし。 
といった訳で、私はアニメのエマに魅力を感じなかったらしい。

*1:"漫画家の"とか、"立派なオタクの"森薫であって、"魅力的な異性の"というのは関係ない。多分。

*2:感じていると錯覚して、でもいいや。